日弁連の臨時総会について、私自身は、いずれの提案も否決すべきと考えていた。現段階で、日弁連が司法試験合格者数に対する決議をする意義が見出せなかったからである。
 しかし
東京弁護士会のサイトや第3案の提案のもととなる文書(?)、そして、それぞれの案を提案している人の発言、賛同している人の発言などを見て、第1案を応援したくなった。
 上記東京弁護士会のサイトには「会員の皆さまには、日弁連執行部提案の議案への賛成と、一部の少数の招集請求者の議案への反対をお願い致します。」という記載がある。法の支配の担い手である弁護士が「一部の少数の請求者」とか言ったらあかんやろ。
 そして、第3案の提案のもとになる文書(なんと言ってよいか不明)は、「将来の法曹志願者の合格者数に対する不安が払拭されません」と法曹志願者の合格者数に対する不安の払拭を掲げる一方「予備試験については制度趣旨を踏まえた運用をする。」と書かかれている。
 私には、第3案は、予備試験受験者の予備試験合格者数に対する不安は払拭しなくてよい、としか言っているように思えない。よって、彼らの言っている法曹志願者とは「法科大学院に在学中または法科大学院を受験予定の」「法曹志願者」という限定つきではないか、との疑念をぬぐえない。内向の議論云々については、よく分からない。
  私は、賛成反対の前に、感情的に第2案及び第3案を好きになれない。
 まず、上記のサイトや日弁連新聞で自分の案に賛成を求めていることなどから、私は、第2案の提案をしている人には、権力者の傲慢さを感じる。
 そして、第3案にも傲慢さを感じる。猛烈な批判を敢えて承知で言えば、自分の意見に反対する人を、怖がっているのかもしれない、と考える感覚は、私には無い。そういう発言を慎まない限り、第3案は、賛同を得ないであろう。
 第3案には、内向きの議論云々の記載があるが、私は、一般の人は、司法試験合格者数など、どうでもよい、と考えているのではないかと思う。一般の人からすると、第1案乃至第3案のいずれが可決されたところで、何かやってるな、とか、弁護士も食えなくなってるんやな、という印象を持つか、其の程度ではないか(受験生や、マスコミ関係者は別である。)。
 今回の臨時総会は、それこそコップの中の嵐に過ぎない。私は、弁護士会の外から見たら云々という意見が聞こえるたびに、別に誰も弁護士会のことを特に気にしていないのに、自意識過剰に外部の意見を気にしている点で、よっぽど「外部の」意見を無視しており、内向きであると思うのである。つまり、外から見たら云々という意見は、弁護士会内部におけるマウンティングのための、極めて内向きな議論ではないか、と思うのである。
 しかし、一般の人に、弁護士も食えなくなっているんやなと思われたところで、個々の会員の業務に、どの程度影響があるのか疑問である。
 以上より、私は、感情的には第1案を応援したい。もっとも、第1案の内容で決議することは、危険性を相当程度有すると考えており、やはり意見表明をしないのがベストと考える。
 しかし、少数者の人権を守ることを職務とする団体の選挙で、「一部の少数の招集請求者」とか、絶対言ったらあかんわな。今回の件で、日弁連のの言う人権保護とか、法の支配とか、ギャグでしかないことがよくわかった。