1 インターネット上の表現と名誉毀損
  最高裁第二小法廷平成24年3月23日判決判時2147号61頁
2  判旨
   「(1)ある記事の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきものである(最高裁昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁参照)。前記事実関係によれば、本件記事は、インターネット上のウェブサイトに掲載されたものであるが、それ自体として、一般の閲覧者がおよそ信用性を有しないと認識し、評価するようなものであるとはいえず、本件記載部分は、第1文と第2文があいまって、X1会社の業務の一環として本件販売店を訪問したX2らが、本件販売店の所長が所持していた折込チラシを同人の了解なくして持ち去った旨の事実を摘示するものと理解されるのが通常であるから、本件記事は、X らの社会的評価を低下させることが明らかである。
 (2)そして、前記事実関係によれば、本件販売店の所長が所持していた折込チラシは、訴外会社の従業員が本件販売店の所長の了解を得た上で持ち帰ったというのであるから、本件記載部分において摘示された事実は真実ではないことが明らかであり、また、Y は、X1会社と訴訟で争うなど対立関係にあったという第三者からの情報を信用して本件サイトに本件記事を掲載したと主張するのみで、本件記載部分において摘示した事実が真実であると信ずるにつき相当の理由があったというに足りる事実を主張していない。
 (3)そうすると、Y が本件サイトに本件記事を掲載したことは、X らの名
誉を毀損するものとして不法行為を構成するというべきである」。

3 意義
(1)第一に、インターネット上の表現につき、通常の表現と比べ、信用性  が低いとは言えず、そのことを前提にインターネット上の表現の名誉毀損性を判断すべきとした。この点、最判平成9年5月27日民集51巻5号2009及びその調査官解説の立場を踏襲していると読める。
(2)第二に、インターネット上の表現の名誉毀損性につき、前後の文脈から、当該問題表現により、いかなる事実が指摘されたかを判断した点。