1 預託金返還請求権の法的性質
    判例(最二小判平8・7・12民集五〇巻七号一九一八頁等)は、預託金会員制ゴルフクラブの会員契約は債権的法律関係であり、その契約上の権利義務の内容は会則によって定まるとしている。そして、その権利義務の内容は基本的には、(1)ゴルフ場施設の優先的利用権、(2)預託金返還請求権、(3)年会費支払義務で構成されている、とされる(金融法務事情1583号54頁)。

2 最高裁判所第3小法廷平成7年9月5日判決最高裁判所民事判例集49巻8号2733頁
      「原審の確定した事実関係によれば、被上告人の有する本件ゴルフクラブの個人正会員としての地位は、いわゆる預託金会員組織のゴルフ会員権に該当する債権的契約関係であり、その内容として、会員は、ゴルフクラブ会則に従ってゴルフ場施設を利用し得る権利を有するとともに年会費納入等の義務を負担し、また、入会の際に預託した預託金を会則に定める据置期間の経過後に退会に伴って返還請求することができるというのである。これによれば、右契約関係においては、会員のゴルフ場施設利用権がその基本的な部分を構成するものであるところ、会員は、ゴルフクラブの会員としての資格を有している限り、会則に従ってゴルフ場施設を利用することができ、上告会社は、会員に対してゴルフ場施設を利用可能な状態に保持し、会則に従ってこれを利用させる義務を負うものというべきである。」

3  最高裁判所第3小法廷平成12年2月29日判決最高裁判所民事判例集54巻2号553頁
 

    「以上によれば、預託金会員制ゴルフクラブの会員契約は、主として預託金の支払とゴルフ場施設利用権の取得が対価性を有する双務契約であり(会員に年会費の支払義務がある場合には、年会費の支払も対価関係の一部となり得る。)、その会員が破産した場合、会員に年会費の支払義務があるゴルフクラブにおいては、ゴルフ場施設を利用可能な状態に保持し、これを会員に利用させるゴルフ場経営会社の義務と、年会費を支払う会員の義務とが破産法五九条一項にいう双方の未履行債務になるということができる。」

4 期限付債権であること
    ゴルフ場の預託金返還請求権は、判例上、期限付債権であると考えられている。
    高松地方裁判所平成23年3月24日判決金融・商事判例1379号56頁
    「そして、預託金返還請求権は、ゴルフ会員権という継続的契約関係に包含されるもので、据置期間経過後も、会員が、施設利用権を行使している間は潜在的であって、契約関係の終了によって初めて顕在化する(履行期が到来する)請求権といえるから、本件における預託金返還請求権の行使においては、会員の意思を明示的に確認するためにも退会の意思表示が必要である。」