一般的な法律事務所には、顧客に大企業・上場企業は殆どなく、主要な顧客層は中小企業となる。よって、顧客の中には一定程度、ワンマン社長が含まれる。特に、労働事件を担当する場合には、顧客あるいは相手方のいずれかに、ワンマン社長がいて、直接やり取りを行うことが多くなる。  
   社長がワンマンな中小企業に少なからず見られる人事のパターンとして、男性のワンマン社長の下に、ナンバー2の女性がおり、細かい作業などは、すべてそのナンバー2の人が取り仕切っている、というものがある。
  ナンバー2の女性は、別に社長の愛人とかいう訳ではない。決まって大人しいが、性格は悪い。なぜか、ワンマン社長は、そのナンバー2の女性だけは、信頼している。そして、ワンマン社長は、ナンバー2の女性に対してだけ、会社の重要な情報を教えたり、また、他の従業員の人事のことなどを、相談したりする。また、ナンバー2の女性も、他の従業員のことなどを社長に密告するスパイのような役回りをすることがある。
   そういった会社の労働事件を担当すると、退職した従業員は、ワンマン社長のみでなく、ナンバー2の女性にも、不満を抱いていることがある。正確に言えば、ワンマン社長とナンバー2の女性のみで、会社の物事が回っていき、他の従業員がのけものにされる様子に不満を抱いている。
  考えてみれば、中小企業のような小さいスペースで、ワンマン社長とナンバー2の女性以外、のけものにされるわけで、他の従業員が不快に思うのは当然の話ではある。 
   そのような人事パターンが生まれる理由は、ワンマン社長が、従業員を信頼しないことにある。ワンマン社長の信頼の対象は、大人しく性格の悪い女性の従業員だけである。よって、他の社員がのけものになる。そして、そのような人事パターンの企業は、長続きしない。