会社支配紛争と呼ばれる類型の紛争がある。会社の株式の過半数を誰が所有しているのかについての争いである。多くは、会社のオーナーと経営者の争いとなる。
2 具体的な事例としては、次のようなものである。
3 会社のオーナーが、雇われ経営者に株の名義を貸して経営を任せて いた。雇われ経営者がオーナーに反旗を翻し、名義を借りていた株を自分の株であると主張し、オーナーを取締役から解任した。オーナーは、会社と経営者を被告として自らが過半数株主であるとして、株主権確認訴訟を提起した。
4 会社支払紛争を担当する際、注意しないといけないのが、裁判が確定するまで経営者に会社の代表権が残る、ということである。高裁や、最高裁への上告段階等、訴訟の終盤になり、経営者側の敗訴が濃厚になると、経営者が、会社の不動産等をが売却してしまうことがある。
5 仮に経営者が会社の不動産等の重要な資産を売却してしまった場合、オーナーは裁判で勝っても、会社に資産が残っていないので、株式は無価値となり得る。
6 このような事態に対処するために、職務代行者選任の仮処分という手段が会社法上用意されている。しかし、要件が厳しく設定されているため、使いづらい。