1 法律事務所の殆どは、中小零細企業である。よって、いわゆる大企業とは、様々な点において異なった点を有する。特に、労務環境において、違いは顕著となる。2 まず、社長である経営者弁護士の意見は絶対であり、ワンマン体制がしかれていることが多い。勤務弁護士も含 ...
カテゴリ:労働関係
ワンマン社長について思うこと②
一般的な法律事務所には、顧客に大企業・上場企業は殆どなく、主要な顧客層は中小企業となる。よって、顧客の中には一定程度、ワンマン社長が含まれる。特に、労働事件を担当する場合には、顧客あるいは相手方のいずれかに、ワンマン社長がいて、直接やり取りを行うこと ...
日本テレビ女性アナウンサーの内定取消について法的な検討
Nテレビから内定を得たA氏が、過去に銀座でホステスのアルバイトをしていた経験があることを理由に、日本テレビから内定を取り消された事案に関する検討 1 NテレビとA氏の間の法律関係について (1) 結論 解約権留保付労働契約であると考えられる。 ...
続ブラック法律事務所の見分け方
引き続きブラック法律事務所の見分け方について書く。 大阪などの大規模単位会では、他の弁護士事務所の評判は、 入ってこない。従って、指導担当等に、就職を検討している事務所について、あの事務所はどうなんですか、などと聞いても、知らない、ということになりがち ...
ブラック法律事務所に見られる共通項
一般社会におけるブラック企業と法律事務所におけるブラック事務所の概念は違っている。法律事務所は、殆どの事務所が長時間労働であり、残業代が出ず、また、社会保険等も備わっていない。もっとも、司法修習生が確実に就職を避けるべき事務所は存在しており、そのような ...
ブラック法律事務所の見分け方
本日は、司法修習生の人に向けて、ブラック法律事務所の見分け方についての記事を書く。① OBと仲が良いか 弁護士が法律事務所に、いつまでも留まることは稀である。従って、その法律事務所を辞めた弁護士がいること自体は、その事務所がブラックな法律事務所であ ...
ブラック企業を定義してみる
いかなる企業がブラック企業については、定義が不明確であるように思う。そこで、私なりにブラック企業について考察をしたい。 私は、ブラック企業は、労働者が提供する労力、リスク等に対する対価が、提供した労力に比較して著しく低い場合をブラック企業というと考える ...
労働者か個人事業主かについての最高裁判例
1 労働者か個人事業主かの区別が問題となった判例1事案 運送業者と運送委託契約に基づき運送業務に従事していた者(以下、「原告ら」という。)たちで構成される労働組合が、会社に団体交渉を申し入れたところ、会社が労働組合に該当しないなどとして、団体交渉を拒否す ...
従業員が会社の資料を外部に持ち出した場合、懲戒解雇できるか
大阪地方裁判所平成25年6月21日判決労働判例1081号19頁 1 事案 会社の業務関連情報を私物の記録媒体に電磁的記録として記録し、社外に持ち出す行為は、 懲戒解雇事由である「外に漏らさないこと」に該当しないとされた事例。2 判旨 ...
弁護士の忙しさ
弁護士は皆忙しそうにしている。 忙しい忙しいと平気で口に出すし(本来は好ましいものではないのかもしれない)、実際に、予定が詰まっていて大変と言う人は多い。全サラリーマンの平均的労働時間よりは、弁護士の労働時間は長いような気がする。 弁護士の労働時間が長 ...
うつ病になった労働者にどう対処すればよいか
1 論点の所在 うつ病等の精神疾患にかかっている疑いがある社員が、遅刻や勤務時間中の居眠りなどがひどくなっており、懲戒処分を検討しているが、問題はないか。2 結論 次の最高裁判決からすれば、懲戒処分等を出す前に、健康診断を実施する等の措置をとったうえ ...
残業代で会社が倒産してしまうという話
退職した労働者が集団で、残業代の請求を求めて会社を訴えるケースがある。会社としては、望外の残業代の支払義務を負う可能性があり、注意が必要である。 仮に、月100時間残業時間が認められる労働者が、20人で過去2年分の残業代請求を行ったとする。時給20 ...
注意指導とパワハラ(判例紹介)
部下に対する厳しい指導がパワハラとなるか、線引きが難しく、判断に迷うことがあると思います。東京高裁平成25年2月27日判決(ザ・ウィンザーホテルズ・インターナショナル事件)では、上司による注意指導が、パワハラに該当するかが問題となりました。1 ザ・ウィ ...