誰からも無能、と呼ばれる人がいる。
下につく部下には軽蔑され、同じ立場の人には見下される。部下の手柄を自分のものにし、失敗は部下のせいにする。

自分では仕事を全くしないくせに、舐められることを何より恐れる。面子さえ立てば、後はそれでよい。他人の仕事ぶりを悪く言いまくる。飲みに行けば、過去の自分の自慢話ばかり…たまに仕事をすると、足を引っ張ることしかしない…
砂の栄冠という漫画のガーソ(あの漫画は本当によくできてますね。) にそっくり、まさに、リアルガーソというべき人たちである。

これは弁護士に限らず、どの業界にもいる。決まって、自分では仕事ができると思い込んでいる。

そういった人間がなぜ、上記のような、無能と呼ばれる行動しかできなくなるのか?
生まれもっての能力が低いから?私にはそうは思えない。
そういう人は、過去のある時点で時間が止まっており、その栄光の時代に戻りたい、と考えている傾向が強い。時間が栄光の時代で止まっているため、彼らは、今の自分もいけてると思い込んでいる。必然的に、彼らは、努力ができなくなる。そして、努力することは、栄光の時代から離れることを意味するので、彼らは、絶対に努力ができない体になっている。

過去の栄光もあり、努力ができないにも関わらず、プライドを維持しようとするために、彼らは、メンツばかり気にするようになる。たまに仕事をしようとするが、長らく努力をしてこなかったため、何も仕事のことが分からず、結果は出るはずがない。悪い結果は人のせいにせいにせざるを得なくなる。

話術とか、曖昧で、努力せずとも習得可能なものを重視しはじめる。よって、人の尊敬など勝ち得るはずがない。

彼らの根底にあるのは、自分がいけているという勘違いである。

自分の腕を磨き続けない限り、誰でもガーソ的な存在になる可能性をもっている。そして、自分にもガーソ的な要素は確実に存在する。自分の自慢をしたくなった時は、特に、要注意だ。勝ったと思った時から、負けが始まっているのだと思う。

そして、ガーソが一人でもいれば、組織は、いわゆる失敗した組織になる。組織は、いとも簡単に崩れるのである。