法律事務所の位置について書く。
 弁護士の利便性のみを考えれば、法律事務所は、裁判所から近い方がいい。期日に行くのに楽だし、弁護士会も近いからである。
 もっとも、大阪地方裁判所は、大阪の中心地である梅田及びJRを初めとする各鉄道の駅からは若干離れており、阪急梅田駅、JR大阪駅から、徒歩で15~20分程度かかる。
 よって、裁判所に近い場所に事務所を構えた場合、利用者にとっては若干不便である。利用者にとっての利便性を追求するのであれば、法律事務所は、やはり大阪駅から歩いて5分以内、具体的にはグランフロントや、新阪急ビルなどにあった方がよいことになる(家賃が高すぎるだろうけど)。
 理想的には、法律事務所は、阪急梅田駅と大阪地裁を結んだ直線の真ん中あたりに位置しているのがよい。具体的には、曽根崎警察署からアメリカ大使館に至るエリア、更に細かく言うと、あいおいニッセイ同和損保フェニックスタワービルに隣接しているエリアが、大阪の法律事務所の位置として、理想的であると考える。
 そして実際に、上記の理想的なエリアに事務所を構えている法律事務所も存在しており、某刑事専門法律事務所などがそれである。曽根崎警察署に近い、ということもあるだろうけど、そこらへんの経営的なセンスはさすがだなあ、と思う。
  しかし、法律事務所の位置は、裁判所の近くという制約を受けている。そして、そのような制約は、主に弁護士が、主に1週間のうちの多くの日に裁判所に行かなければならないこと、から生じている。また、弁護士会館をよく使う弁護士は、法律事務所の位置は、弁護士会館の近くになければならず、その点からも制約を受けている。
 よって、弁護士が裁判所及び弁護士会館に行かなくてもよいようになれば、法律事務所の位置的な制約は、殆どなくなる。そして、今まで法律事務所があまりなかったようなエリアにも、法律事務所を構えることが容易になる。具体的には、豊中、枚方、茨木、高槻、河内長野、柏原など、人口は多いものの、裁判所から遠い地域に、法律事務所を構えることが容易になる。
 よって、弁護士が裁判所及び弁護士会館に行かなくてもよいようになれば、利用者の司法サービスに対するアクセスは、大幅に改善される。
 弁護士が裁判所及び弁護士会館に行かなくてもよいようにするためには、裁判業務及び弁護士会の業務につき、電子化を徹底する必要がある。
 具体的には、期日は電話会議を原則とし、判決書も電子的な方法(具体的には分からないけど)で受け取れば、受領したことにする、23条照会の申立をネットで行えるようにし、回答も、弁護士会のサイトで見れるようにする、弁護士会図書室の資料は、全部ネットで見れるようにする、などが思いつく。
 これらの方法を実現するには、色々な問題があるように思うので、現在の、裁判所から離れた場所で、法律事務所を構えるのが難しい、と言う状況は、なかなか変わらないように思う。
 しかし、私が死ぬ頃には、例えば枚方に事務所を構えても特段支障はない程度には、法律業務の効率化が実現されて欲しいな、とは思う。