同業者の誰が見ても駄目な弁護士というのはいる。その一つが、罵詈雑言に満ちた書面を書く弁護士である。準備書面に、笑止千万である、相手方弁護士は懲戒ものである、理解に苦しむ、火を見るより明らか等相手方の悪口を不必要に書く。悪口を書くだけならいいが、よく読むと悪口以外何も書いていない。私は、修習の時に、不必要に相手方を罵倒するような書面を書くのはやめましょうと指導を受けた。修習生の時は、そんな奴おらんやろ、と思っていた。しかし、まさにそのような、罵詈雑言に満ちた書面を書く弁護士は、実在する。そういった口の悪い弁護士の書面をよく読むと、決まって、悪口以外、殆ど何も書いていない。戦闘的な見掛けと違い、闘うには楽な相手である。なぜ、彼らがそのような書面を書くのかは、わからない。ただ、罵詈雑言に満ちた書面を書く弁護士の書面が、決まって、内容が薄いことからすると、相手方の悪口に満ちた書面を書くことは、一定の層のクライアントから評価を受けるには、非常に効率的な方法なのかもしれない。