清原が逮捕された。私は、子供の頃、西武ファンであった(後に阪神に移行する)ため、非常に残念である。
 一方で、某刑事専門の法律事務所の代表弁護士が、ツイッター上で、清原の刑事弁護人ではないのに、清原の逮捕に関するマスコミからの取材を受け付けるとツイートしたことが、弁護士から批判を受けたようである。当該行為の是非については、本稿では論じない(個人的には、品がないと思うし、清原の刑事弁護人であると誤解されるような表現をした点については、やはり批判されるべきであろう。)。当該行為以外の、某刑事専門の法律事務所に対する業界内の批判について、思うところを若干述べたい。
 某刑事専門の法律事務所に対する批判のうち、多いものが報酬が高い、というものである。
 私は、某刑事専門の法律事務所が、実際に、どの程度の報酬を取っているのかは、はっきりとは分からない。馬鹿高い、といううわさはよく聞く。しかし、仮に、報酬が高いという事実があるとしても、私は、そこまで批判されるべきことなのか、と思う。というのも、私は、刑事事件に関する従来の業界の相場(私選で受けることが前提である)が若干安い、と感じており、もう少し高い報酬をもらってもよい、と考えているからである。
 私だけかもしれないが、刑事事件1件あたりの負担の方が、民事事件1件当たりの負担よりも重い。接見に伴う移動などの体力的な負担は、民事事件より大きい。そして、刑罰をかされる局面に立ちあうので(私個人的には)心理的負担は、民事事件よりもかなり重い。被告人は、対応に難しい人が多いし、意思疎通の難しいケースも正直結構ある。
 そのような負担の重さも考慮に入れた場合、刑事事件の着手金及び報酬について、旧日弁連の報酬基準が妥当か、と言われれば、若干疑問でる。
 刑事事件の負担の重さ、特に、接見及び接見のための移動により、時間をかなり取られることからすれば、私は、私選で受けることを前提としても、刑事事件の従来の業界内での報酬相場は、若干安い、と感じている。
 一方で、刑事事件の被告人には、高い弁護士費用を負担できないことが多い。また、弁護士費用が高くなると、其の分、被害弁済のための金が少なくなる、という問題はある。後者の問題は、懲戒の問題となりうる。よって、被告人から、馬鹿高い報酬を取ることについては、やはり問題になる。
 しかし、私は、支払能力のある被告人又は被疑者からは、従来の相場よりもう少し、高い弁護士報酬を頂いてもよいのではないか、というか、頂くべきではないか、そのように感じるのである。私だけかもしれないのであるが。