引き続き法テラスについて思うことを書く。
   法テラスの無料相談は、弁護士会から個々の弁護士に対して、年何回という形で、担当が割り当てられるようになっている。そして、法テラスの無料相談を担当して、 数日後に、無料相談で相談に乗った人から、事務所に直接電話がかかってくることがある。ネットで私の名前を検索し、事務所を特定して、電話をかけてくるようである。
   電話の要件は、先日、法テラスの無料相談において、相談した内容の続きを、さらに相談させて欲しいというものである。私は、法テラスの相談は3回までは無料であり、あと1回(もしくは2回)は引き続き法テラスの無料相談を使えると伝えているのだが、なぜか、私の事務所に直接電話をかけてくる。
   そのように電話をかけてくる人は、法テラスでは相談料が無料であったので、無料相談をしていた私が、引き続き無料で相談に乗ってくれるものと思い込んでいる。したがって、当該事件の着手金はおろか、相談料も払うつもりはさらさらない。私は、それとなく、迷惑である旨を伝えて、引き下がってもらうことにしている。
   そして、このように、引き続き相談に乗ってくれと事務所に電話をかけてくる人は、 例外なく、法テラスの相談において、私が、満足させてしまった人である。私としては、法テラスの相談において、一生懸命やって、満足させてしまったがゆえに、ただ働きをさせられるという損をしてしまうおそれが生じてしまう訳である。私としては、法テラスの無料相談においては、適度に手を抜いてやった方が、経済的には合理的であった、ということになる。
   無料相談に限らず、法テラスの案件は、弁護士にとってすれば、手を抜かなければ損してしまうという案件である。したがって、法テラスの利用者が、法テラスを通じて依頼した弁護士に対して、手を抜かずにやれ、と期待することは、いわば、私のために弁護士に損しろといっているに等しい。
   いくら弁護士が公益的な存在であるとしても、経済的に赤字になってまで、公益的な活動を行う義務はないはずである。したがって、弁護士が、経済的に赤字になってまで、法テラス案件を手を抜かずにやる義務はない。そして、私のために損をしろ、などと厚かましい要求をしてくる顧客(顧客なのか?)を、まともな顧客として扱う義理はない。