債務整理事件を担当していて、思ったことを書く。
   現在、多くの大手の消費者金融会社は、銀行の資本が入っている。また、過払いの苦い経験もあってか、 大手の消費者金融会社のコンプライアンスに対する意識は、以前よりは改善されているようである。
   弁護士が受任通知を送れば、何がしかの手違いの場合を除いて、債務者本人に直接、大手の消費者金融会社から連絡があることは、まずない。
   また、担当者の応対も、少なくとも弁護士に対しては丁寧である。債務者本人に対しても、かつてのように(昔のことは、直接は知らない)、やくざ顔負けの追い込みをされたという話は聞かない。
   しかし、大手の消費者金融のうち1社だけ、変な対応をする会社がある。受任通知を送って、債権調査票への記入をお願いすると「今回は、特別に返信しますが、当社では、返信用封筒と切手を同封されない限り、債権調査票への返信は、しない扱いとなっています。以後気をつけてください」という趣旨の返事があった。 何じゃそれ、と思った。
  その案件では、およそ任意整理は難しい案件であったので、その会社の担当者に、今後の方針について、法的整理も含めて検討中であると回答した。しばらくするとその会社から、「貴殿から和解案の提案を受けていません。2週間以内に和解案を提示してください」とかなり強硬な手紙が送られてきた。担当者に電話すると、手紙では、和解案を提示しろといっているにもかかわらず、担当者は、私に、今後の方針はどうですか、ととぼけたことをいってくる。
  ちなみに、その会社もほかの会社と同様に、現在では、大手の銀行系列の会社となっている。たまたま、私が当たったその会社の担当者が変なのか、それとも、会社として、若干変なのかは不明であるが、他の会社がかなりコンプライアンスに気を配っており、対応がまともになっているだけに、その会社の異様さは目立つ。