本日、司法試験の合格発表であったようである。司法試験合格された皆さん、まずは、おめでとうございます。ここで、自身の司法試験合格発表前後の体験を振り返ってみたいと思う。
 私は、発表前の1週間程度、生きた心地がしなかった。絶対落ちていると思っていた。よって、合格発表を見るのが怖かった。合格発表を最終的に見たのは、7時頃だったと思う。司法試験に合格した実感は全く湧かず、じわじわと、あー受かったんだな、という気持ちが湧いてきた。
 正直、合格してもあまり嬉しくはなかった。私が合格したことを知って、電話を掛けてくれた友達に、何でそんな嬉しそうじゃないねんと言われた。大学受験や高校受験のときは、合格を知って、非常に嬉しかったが、司法試験に合格した時は、落ちなくてよかった、というホットした気持ちが強かった。
 私にとって、司法試験は、人生を賭けた試験であったし、試験後、合格発表前は、よく、落ちる夢を見てうなされていた。私にとって、司法試験に落ちる恐怖は、非常に強かった。だから、私は、自身の合格を知って安堵こそすれ、喜ぶ気には、なれなかった。合格者の中には、意外にも、私のように、ホットしたという気持ちの方が強かった人が多かったのではないだろうか。
   合格発表の後は、伊藤塾の合格祝賀会のクルーザーに乗りに行ったりバイト先に挨拶に行ったりした。時間がたっても、あまり、嬉しいという気持ちにはなれず、合格した実感の湧かない日々が続いていた。私は、試験後、せっかく時間があまったので、どこか旅行にでも行こうかと考えていた。結局どこも行かず、ネット三昧の非リア充な日々を送った。そのうち、修習が始まってしまった。修習に行くと同時程度の時期に、就活も始めた。しかし、面接にすら呼ばれない日々が続いた。
 私は、合格したことを実感しないまま、現在に至っている。外の試験に合格したときと違って、司法試験に合格しても、余り嬉しくなかったのは、落ちる恐怖が強かったという他にも、司法試験に合格しても、明るい未来が見えなかったことが一因としてあるように思う。
 法科大学院教授が本年度の試験問題を漏洩したというニュースが、法曹関係者を中心に話題となっている。東京地検は、当該教授を刑事告発したようである。私は、仮に、漏洩が事実であるとすれば、犯した罪の重さからすれば、絶対に、その教授は許されるべきではないと思う。司法試験は、人生を賭ける試験なのである。また、司法試験は、他人の人生に重大な影響を与える仕事に携わる資格を与える試験である。そのような試験で、不公正なことなど、絶対に行われてはならない。そのような人間が司法試験に携わったこと自体、私は、恥かしく思うとともに、やり場のない、強い憤りを感じる。