裁判事件数調査関係資料

非常に興味深い資料。少なくとも弁護士に対する訴訟事件の需要がここ10年で、ほとんど変化していないことを示す資料である。弁護士を増やせば弁護士に対する需要も増えるという増員派の主張は、破綻したことが裏付けられたことになる。

まず、過払い金事件を除いた代理事件数のうち、双方に代理人がついた事件の件数の推移は以下のとおり。平成7年と平成25年を比較して、2000件程度、平成25年が減少している。
 
平成7年   44,909 
平成12年 43,374
平成17年 36,234
平成22年 36,734
平成25年 42,142
(資料9頁より引用)


原告のみ代理人がついた事件の数は、

平成7年   38,792
平成12年 37,060 
平成17年 32,127 
平成22年 33,780
平成25年 30,886(同じく資料9頁より引用)

と平成7年と平成25年を比較して、約8000件減少している。
 
被告のみ代理人がついた事件の数は、
  平成7年  3,549
平成12年 4,780
平成17年 3,630 
平成22年 3,444
平成25年 3,325(同じく資料9頁より引用)
と平成7年と平成25年を比較して200件程度の減少である。

弁護士の仕事が増えたか、という点でわかりやすい資料は、過払い金を除いた民事第1審の代理数を示す次の資料。平成7年以降平成17年に落ち込み、現在若干の回復傾向にあるものの、平成7年の水準には回復していない。平成7年と比較して、代理数は約1万4000減少している
(※ 「代理数」とは,弁護士が原告側及び被告側の各当事者に代理人として付いた数をいう。一事件につき,双方代理の場合 には原告及び被告の双方に弁護士が付いていることから2とし,原告代理又は被告代理の場合には1として算出した。他方, 非「代理数」は,一事件につき,双方本人の場合には2とし,原告代理又は被告代理の場合には1として算出した。「資料14頁」より引用)。

平成7年   132,159
平成12年 128,588
平成17年 108,225
平成22年 110,692
平成25年 118,495

仮に、1代理につき、金50万円の売上が発生するとすると、
弁護士全体の売り上げは、金50万円×1万4000代理=700億円減少していることになる。実際には、単価の減少もあると考えられるので、これ以上減少していることになる。

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