大阪地方裁判所平成25年6月21日判決労働判例1081号19頁
1 事案
会社の業務関連情報を私物の記録媒体に電磁的記録として記録し、社外に持ち出す行為は、 懲戒解雇事由である「外に漏らさないこと」に該当しないとされた事例。
2 判旨
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1 事案
会社の業務関連情報を私物の記録媒体に電磁的記録として記録し、社外に持ち出す行為は、 懲戒解雇事由である「外に漏らさないこと」に該当しないとされた事例。
2 判旨
情報を「外に漏らさないこと」という服務規律に違反 したことと同視して懲戒解雇ができるとの被告の主張は採用できない。なお,仮に被告の主張を前提としても,就業規則44条7号は,服務規律違反の「事案が重篤なとき」に懲戒解雇に処すると定めているところ,情報漏洩の事実を認めるに足りる証拠がない以上,服務規律違反の「事案が重篤なとき」に当たらないことは明らかであるから,いずれにしても就業規則29条4項違反を理由とする本件懲戒解雇には理由がない。 」
3 対応
就業規則の規律を、「情報を外に漏らさないこと」という規律ではなく「資料又は業務関連情報の記録された電磁的記録をもちかえらないこと」という規律に改める。それらのものを持ち帰ることのないよう、文書等の記録に残る形で、通達を出すなど。これらの対策を取ったとしても、裁判において懲戒解雇が認められるには、情報が外部に漏洩したことが必要条件となる(十分条件ではない。)と考えられる。
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