弁護士の仕事のうち、比重が大きいのが、調査業務である。調査業務には、次の2種類がある。

 ① 判例、条文、論文等の法的調査
 ② 事実関係の裏取り、証拠収集等の事実に関する調査

 ①は、新司出身の弁護士は、法科大学院で大量にやらされる。②は、新司試、旧司に限らず、実務に出てからやり方を覚えることになる。

 ②の具体例として、最も簡単なもので言えば、例えば、平成27年〇月〇日に、〇〇で交通事故が発生したという事実を立証するために、依頼者に交通事故証明の原本を郵送してもらうといったものである。交通事故証明書によって、加害者の氏名、住所等も分かる。

 ①は、例えば新株発行不存在事由は何か、という論点についてciniやd-1lawなどのデータベースを用いて、ひたすら資料を収集し、まとめるという作業になる。意見書を書く仕事などをする場合、この能力が非常に重要になる。いずれも地味であるが、弁護士業務の非常に大きな役割を占めるため、調査能力は、弁護士の能力のうちで、もっとも重要な能力であると思う。