増員論者の人が、増員論を語れば語るほど、法曹志願者は減っていく。増員論は、弁護士による自由競争と淘汰を前提としている。すなわち、長い時間と費用をかけて弁護士になったものの、年収300万円にもいかないような人が発生することを、よし、としている。
  一方で、法曹志望者の最大の見込み客とも言うべき人は、予備試験ルートを除けば法科大学院に入るか、新卒で就職するか、大まかに言えば2通りの選択肢がある。きわめてリスクが高いにもかかわらず、そのリターンが得られない道を誰が選択するのか、答えは、明らかであると思われる。
  増員論者は、理由はよく分からないが、弁護士になっても、将来はお先真っ暗だよという事実を正直に話すので、増員論者の発言を聞いた法曹志願者予備軍は、法曹を目指すことをやめてしまう。つまり、法曹を増員せよと増員論者が話せば話すほど、法曹志願者が減少し、結果として、法曹増員が難しくなってしまうのである。
 私は、正直、いわゆる増員論者が何をしたいのか、合理的に理解できない。法曹増員論者は、多分に、感情論的に動いている(きた)ふしがあるように思う。